君への手紙
「……ちっ」
「なんだよ、機嫌悪いな」
こちらの舌打ちに反応する相方は、やけに機嫌が良い。そりゃそうだ。僕がどうしてこんなに苛ついてるのか、その理由を知ってるんだから。
「だから言っただろ。スリザリンと仲良しこよししようなんてバカな考えだったんだよ」
得意げな表情のフレッドが腹立たしくて、強めに頭を叩く。
「なにすんだ!」
喚く声は笑っているリーに押しつけ、カバンを引っ掴んで教室を後にした。
(のやつ、露骨に無視するなよな)
あいつが僕を避ける理由は分かっている。
僕が手紙を返さなかったから機嫌を損ねているんだろう。
だから、無視できないように、一人になった所を捕まえてやろうと思った。
だけど、なかなかあいつは一人にならなかった。
忍びの地図を使うことも考えたけど、あいつが一人になるまでずっと様子を窺うなんてストーカーみたいだからやめた。
直接話せないなら手紙で詫びを入れようかと思って書いてみたけど、いくつかの言い訳とへの文句が並んで馬鹿馬鹿しくなって投げ捨てた。
それならもう、相手を呼び出すしかない。
『放課後、クィディッチ競技場に来て』
破り取った羊皮紙に書いたのは、それだけ。
手紙と呼ぶのも怪しいそれを、何度か折り畳んでフクロウに託す。
「ちゃんと届けろよ」
飛び立っていくフクロウを見送ってから、小さく息を吐いた。
「……これで来なかったら」
悪い予想を思い浮かべて、下唇を噛む。その時はフレッドに思い切り笑われてやろう。そして──お前の言う通りだったと割り切れば良いだけだ。