「うそ！これ、本当にのテスト？」
「失礼ねぇ……」
私のテスト結果を見て大げさに驚いたレイラをジト目で見つめる。
でもその反応も分からなくはない。だってテストの結果は満足――どころか、十分すぎる出来だったから。
「１年の時は真ん中くらいじゃなかった？」
「あ〜、うん。そうだったわね」
「で、今回は学年一位！？上がりすぎじゃない？」
「まあ、去年はずっと家庭教師ついてたしね」
もういいでしょう？ちらちらと周りの生徒達がこっちに注目しているのが気になって、椅子から立ち上がり談話室を抜ける。


今年の大広間はスリザリンカラーで飾られていた。
やった！今年の優勝寮はスリザリンみたいだ。手を合わせて喜んだけれど、隣のレイラは随分と冷めた反応だ。
「嬉しくないの？」
「だって、３年目だしね。見慣れたちゃったわ」
「じゃあ、他の寮に変える？」
「それは絶対に嫌」
スリザリンのテーブルについて他愛のない話を楽しむ。ふと前を見ると、寮監のスネイプはすでに席に着いていた。
「ねえねえ。スネイプ教授、ちょっと嬉しそうじゃない？」
「そう？」
普段からスリザリン生には甘い教授のことだ。寮生が期待通りの成果を残して、ご満悦のことだろう。

「ねえ、は夏休みどうするの？」
「まだ決めてないわ。多分、家にこもると思うけど」
「ちょっとはパーティーにも出なさいよ。あなたが来ないと退屈なのよ」
「考えておくわね」
レイラは少し不満げだったけど、それ以上は何も言わなかった。
本当に良い友人をもったものだ。

ダンブルドアが立ち上がり、朗らかに笑いながら話し出す。
「さてさて、今年も一年が過ぎた。この一年はどうだったかな？」

２度目の２年生はあっという間に過ぎた。
自分で望んだこととはいえ、不安はあったけれど。でも、ずっと楽しく平穏にすごせたと思う。


来年も平和にすごせますように。そう願いながら、ダンブルドアの話に耳を傾けた。