あなたの肋骨を頂戴
お隣に住む一つ年上のレン君は、私の大の自慢の人。
優しいレン君は、いつでも私を守ってくれた。
寂しい時には手を握って。
泣きたい時は慰めて。
不安な時は抱きしめて。
私は、そんなレン君が頼もしくて、大好きだ。
だけど、もうレン君に守られるのはやめにしなければ。
「グミ、明後日から一人で中学行けるか?」
レン君が着ている真新しい制服は全寮制の有名進学校のもの。今日初めて着たのに、すっかり着こなしているレン君はかっこ良くて、この人の妹分であることをすごく誇りに思える。
「行けるってば。心配ご無用だよ!」
べぇと舌を出しながら言い返してみても、レン君はまだ不安げな顔のまま。
うっかり、やっぱりダメだと零しそうになったのを慌てて抑えた。
もう守られるのはやめるんだ。
「そんなに心配?」
「当たり前だろ」
「じゃあ、レン君の肋骨を頂戴」
「は?」
目を丸くしたレン君にふふっと悪戯っぽく笑った。
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