約束だけは十二分にして
「プールに海に祭りに、それからキャンプ!」
そうやって単語を一つ言う度にルフィは一本ずつ指を折り曲げていく。
「ちょっと、ルフィ」
「あっ、あと花火か!」
「ルフィ!」
「ん?何だ、ナミ」
その行動を続けるルフィに大声で名前を呼べば、ルフィはやっと私の方を見た。
「さっきから何言ってるのよ」
「何って、夏休みにすることだ!!」
強めの口調になってしまった私の問いに、ルフィは満面の笑みで答える。
「……遊びばっかりじゃない」
「いいじゃねえか」
「また最終日に泣くわよ」
「へーき、へーき」
呆れた声にも去年の事実にも動じることなく、ルフィは軽快な足取りで歩いて行く。
「なあ、ナミっ!」
そして、数歩先で振り返り、
「今年も、思い出いっぱい作るぞっ!」
太陽にも負けないくらい眩しい笑顔で宣言をした。