140文字SSまとめ
◆レングミ『いっそ心中する?』
君が好きなのは綺麗な私。だから私も聞き分けのいい彼女を演じてきたの。
だけどやっぱりダメみたい。
君が他の女の子と話すだけで体の内側で黒い感情が煮え滾っている。
きっと君がこんな私を知ったら失望することは分かってて。
それならいっそ、君が愛してくれた綺麗な私のままで終わりにしようか。
◆ナルサクサス『縁のない話』
話題の映画の三角関係みたいだという級友の言葉を笑い飛ばした。
私が好きなのはサスケ君だけなんだから。それにあいつの好きは恋愛の類じゃないし。
なのになのに!何だこの動悸は!顔の熱は!
サスケ君サスケ君!
呪文のように唱えて、瞼の裏に映ったのは透き通る青の目で。
だからあんたじゃないのよ!!
◆オズアリ『全部全部、君のせい』
色々あって建物の中に居たってのに全身泥まみれになった。
ギルが血相を変えて風呂の準備をしに行ったけど、俺は隣にいたアリスの手を取って外へと出る。
黒雲が広がる空からは大きな雨粒。すぐに全身がずぶ濡れになったけど、おかげで泥も流れ落ちた。
「気持ちいいね」
振り向けば、笑顔が返ってきた。
◆こばおさ『日常崩壊寸前』
チャイムの音に扉を開けたらそこにいたのは変装ルックの小佐内さん。
どうしたの?問いかける前に、でかでかと2名様来店で30%引きの文字が踊るケーキ屋のチラシを見せつけられた。
つまり、一緒に行けってことか。
じぃっと見上げてくる視線に今日の計画を白紙にして、5分待っててと扉を閉めた。