中学に進学して、太一とは違うクラスで違う部活になった。
だから、教室でグラウンドで、私がいた場所に他の人がいるのは必然で。
分かってるのに、そこは私の場所だと叫びそうになる。
そんなことを考える自分が恥ずかしい――と心底そう思うのに、太一の隣に自分の場所を探し続けた。
「太一の幼馴染の場所は誰にも譲らないわ」
突然そう宣言した私に、太一は目を瞬かせる。
「じゃ、俺も空の幼馴染は誰にも譲らねぇ」
だけど、すぐにニッと笑ってそう言ってくれた。
ようやく見つけた私だけの場所。
それは嬉しくてたまらないはずなのに、少し胸が痛んだ。