「やっぱり、エースさんって綺麗ですよね……」
いつものように裏庭のベンチでうたた寝をしているエースさん。
太陽の光を受けてキラキラ光る金糸のような髪はさらさらで。
睫毛は私より断然長いですし。
それに肌だって白くて、すべすべしてます。
「……羨ましいです」
まじまじ見ていたら、思わずそんな本心が口から出てしまいました。
……人の寝顔を無遠慮に見るなんて、あまりよくありませんね。
そう思って教室に戻ろうとした足を、ある欲求が止める。
エースさんに触れてみたいという欲求が。
きょろきょろと辺りを見回し、他には誰もいないことを確認。
そして意を決してエースさんの頬へと手を伸ばす。
ふに、と指の腹に滑らかな感触が触れる。
想像したようにエースさんの肌はすべすべです。
「どんなケアをしたらこんなに綺麗な肌になるのでしょうか……」
「……別に何もしていないよ」
ぱちっと今まで隠されていた青い瞳が私を見る。
──思考停止。
「綺麗って、あんまり嬉しくないんだけど」
不機嫌そうな声でそう言うエースさん。
「いっ、いいいいつから起きてたんですか!?」
「デュースが裏庭に入ってきた時から」
「寝たふりなんて酷いですよ!!」
「寝顔をずっと見てたデュースに言われたくないな」
その言葉に、顔がぼっと熱くなった。